アライグマから病気になる?注意すべき病原菌や感染症について解説
「アライグマを身近で見かけた。野生の生き物なので、何らかの病気を持っているのではないだろうか?」と不安に感じていないでしょうか?
アライグマは、さまざまな病原体を保有している動物として知られています。アライグマの保有する病原菌が移ることで発症する可能性のある感染症は深刻なものばかりなので、むやみに近づかないよう注意が必要です。
今回は、アライグマから病気になる理由や、人間に移る感染症の例を分かりやすく解説します。病原菌や感染症を含めて、アライグマが身近にいるリスクを幅広く紹介しますので、安全にアライグマ対策を講じたい方は、ぜひ本記事をお読みください。
目次
アライグマから病気になる理由
アライグマは、人間にとってさまざまな病気を引き起こす可能性がある野生動物です。アライグマに接触することで、彼らが保有している病原菌・寄生虫が人間に移ることがあり、健康を害するリスクが心配されています。
アライグマは、体だけでなく糞尿にも多種多様な病原菌・寄生虫を保有しています。糞尿に汚染された食べ物を摂取したり、アライグマに噛まれたり引っかかれたりすることで、アライグマ回虫症やエキノコックス症など深刻な病気を発症しかねません。
アライグマによる主な感染症
アライグマとの接触が原因となって発症する可能性のある主な感染症は、以下のとおりです。
- サルモネラ菌食中毒
- カンピロバクター食中毒
- アライグマ回虫症
- 狂犬病
- レプトスピラ症
- エキノコックス症
- SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
上記の中には、現時点で日本での発症が報告されていないものや、世界的に見ても発症例が少ない感染症も含まれていますが、野生のアライグマが身近にいる危険性を理解するために知識として身につけておきましょう。
参考:東京都環境局「表.アライグマ・ハクビシンが媒介する主な感染症」
東京都環境局「参考資料 ② アライグマ・ハクビシンに関する主な人獣共通感染症」
サルモネラ菌食中毒
サルモネラ菌食中毒とは、サルモネラを原因菌とする食中毒のことです。サルモネラ感染症とも呼ばれています。
一般的には飲食物(特に食肉や卵など)を介しての感染が多いですが、アライグマをはじめとする動物の糞が原因となって感染することもあります。
サルモネラ菌食中毒を発症すると、発熱・下痢・おう吐などの急性胃腸炎が起こります。乳幼児では菌量が少ない場合でも発症することがあるほか、健康な人の便から菌が検出されることもあるのが特徴的です。
参考:町田予防衛生研究所「サルモネラ食中毒の症状や特徴、予防方法について」
国立感染症研究所「サルモネラ感染症とは」
カンピロバクター食中毒
カンピロバクター食中毒とは、カンピロバクター属菌を原因とする食中毒のことです。主な症状としては、下痢・腹痛・発熱・悪心・嘔気・おう吐・頭痛・悪寒・倦怠感などで、サルモネラ菌食中毒にかかった場合と似ています。
ただし、カンピロバクター食中毒の場合、まれではありますが、感染した数週間後に手足の麻痺・顔面神経麻痺・呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症するおそれがあります。菌血症・肝炎・膵炎・流産といった合併症の発症も報告されているため、ご注意ください。
参考:町田予防衛生研究所「カンピロバクター食中毒の症状や特徴、予防方法について」
厚生労働省「カンピロバクター感染症 (ファクトシート)」
アライグマ回虫症
アライグマ回虫症は、アライグマ回虫によりまれに発症することのある感染症です。人間が感染すると、致死的な中枢神経系感染症・眼病変・内臓幼虫移行症などを引き起こすことがあります。
アライグマ回虫症については、アメリカでは人体への感染に伴う死亡事例が報告されています。その一方、日本においては現時点で野生化個体から検出された事例はありません。ただし、動物園で飼育されているアライグマからは検出されている点は認識しておきましょう。
狂犬病
狂犬病とは、狂犬病ウイルスを原因菌とする感染症のことです。一般的には、狂犬病にかかった動物によるかみ傷から感染すると言われています。潜伏期間は3日〜3ヶ月ほどで、発症するとさまざまな神経症状が現れたあとで昏睡に陥り死亡します。
狂犬病は、1957年以降、日本では発生していない病気です。ただし、アジアの他の国やアフリカ、北米およびヨーロッパなどでは狂犬病を根絶できていないため、これらの国を訪れる際は注意しておきましょう。
レプトスピラ症
レプトスピラ症は、アライグマをはじめとする動物の腎臓に入り込んだ菌が尿中に出て、この尿や尿で汚れた水によって感染する病気です。風邪のような症状のみで軽快する軽症型から、黄疸・出血・腎障害を伴う重症型までさまざまな症状が見られます。
日本では、1970年代前半までは年間50名以上の死亡例が報告されていましたが、近年では衛生環境の向上などによって患者数・死亡者数が著しく減少しています。とはいえ、現在でも各地で発生が報告されている点を把握しておきましょう。
エキノコックス症
エキノコックス症とは、エキノコックス属条虫を原因とする感染症です。エキノコックス属条虫の成虫に感染したアライグマのフンの中にある虫卵を人間が経口摂取することで、エキノコックス症に感染します。
エキノコックス症に感染すると、幼虫が虫卵から出て腸壁に侵入し、血流やリンパ流によって体のさまざまな場所で定着・増殖することになります。
初期症状が現れるまでには10年以上の期間があるのが一般的です。初期症状としては肝臓の腫大・貧血・発熱・腹痛・黄疸・腹水貯留などが挙げられます。症状を放置すると、死に至ることもある深刻な病気です。
参考:国立感染症研究所「エキノコックス症とは」
厚生労働省「エキノコックス症について」
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
SFTSは、SFTSウイルスを保有しているマダニに直接咬まれる、もしくはマダニに咬まれて感染した動物の体液などによって感染する病気です。
症状は発熱と消化器症状(おう吐、下痢など)が中心で、倦怠感・リンパ節のはれ・出血症状なども見られます。致死率は6%から30%程度と言われています。
2013年1月に国内で海外渡航歴のない人がSFTSに罹患していたことが初めて報告され、それ以降ほかにもSFTS患者が確認されるようになっています。
参考:国立感染症研究所「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
アライグマが媒介する感染症は深刻な症状を引き起こすものばかりなので、安全に対策を講じたい方はプロの駆除業者「害獣BUZZ」にお任せください!
アライグマが身近にいるのはリスクが大きい
アライグマが身近にいる状況は、感染症だけでなく、さまざまな被害を受けるリスクがあります。例えば、アライグマは屋根裏に侵入したり、配管を破壊したりすることで、建物を損壊させることがあります。
また、ゴミを漁ることで周辺環境を汚染し、衛生上の問題を引き起こすこともあるでしょう。庭園や農地に侵入して作物を食い荒らすことで、農業や庭園の損害が発生することもあります。
そのほか、アライグマの体やフンには、ノミ・ダニが含まれている可能性もあります。ノミ・ダニがアライグマから人間に移れば、さまざまな被害をもたらしかねません。
一例を挙げると、ノミ・ダニが布団の中に入り込んで人間やペットの血を吸えば、腫れ・かゆみなどに悩まされます。ノミ・ダニの死骸を吸い込めば、アレルギー疾患を引き起こす原因になるとも考えられています。
参考:公益社団法人日本皮膚科学会「Q5ノミに刺されたらどうなりますか?」
公益社団法人日本皮膚科学会「疥癬(かいせん)」
このように、アライグマが身近にいるのはリスクが大きいことから、存在に気づいたら一刻も早く対策を講じる必要があります。
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まとめ
アライグマは、さまざまな病原体を保有している動物として知られています。アライグマの保有する病原菌が移ることで発症する可能性のある感染症は深刻なものばかりです。
アライグマを見かけても、むやみに近づかず、プロの駆除業者に適切に対処してもらいましょう。
害獣BUZZでは現地調査を無料で実施しております。「アライグマが身近にいて、どうしたら良いのか分からない」とお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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